工場や会社の中に、赤い鳥居が見えることがある。旅館の敷地内にもあった。日本全国津々浦々、お稲荷さんが祀られている。
伏見稲荷系と豊川稲荷系と大きく分けて2つあるが、たぶん明治以前ははっきりとした区別が無かったと思う。だいたい密教を伝えた弘法大師は、伏見稲荷を大切にしていたわけで、豊川稲荷は荼枳尼天。お寺である。人間の都合であれこれくっついたり、離れたりするのも神仏で、お稲荷さんもそうだろう。
さて、お稲荷さんの眷属は狐だ。もともと日本の神のお使いはニホンオオカミだったと想像するが、どんどん山に追いやられて、里に住む狐が大きな顔をするようになったようだ。しかし、なぜ狸ではなく狐なのか?
たぶん、狐の方がスマートで美しい尻尾を持っているからではないだろうか?可愛いよりもちょっと怖そうに見える顔が神に近く感じられて昔の人に愛されたのかもしれない。
学術的、民俗学的、宗教学的には、もっともらしい説があるだろうが、私的には鼠を食べてくれるスマートで美しい尻尾を持つ狐の方が、里を守る眷属にふさわしいと考える。
単に容姿の好みからというのが、私的理由である。
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